鉄塔の強度設計を行っています。お客様と打ち合わせを行い、そのニーズおよび建設地の気象と地盤の特徴をふまえた上で、設計条件(耐震性・耐風性など)を決定します。設計段階では、決定した条件に基づいて解析作業などを行い、鉄塔に生じる応力を確認したうえで具体的な部材を決めていきます。
最近では、東日本大震災クラスの地震に耐える送電鉄塔の設計を担当しました。従来は、電線に加わる風の影響を重視した設計を行ってきたため、長いキャリアのなかでも初めての挑戦でした。地震の波が鉄塔の足元に加わった際の荷重の解析を重ね、荷重に耐え得る部材・工法を検討。通常使用するL字型の山形鋼では強度が足りないものの、高強度の部材であるO型の鋼管を取り寄せる時間がありませんでした。そこで、L字型の山形鋼を組み合わせる新たな工法を考案し、耐荷重と納期の両方をクリアすることができました。
この課題に受けて立ったことで、鉄塔設計の技術的な知識が増えただけでなく、どんな構造の鉄塔が工場で製作しやすいか、現場で施工しやすいかということも学ぶことができ、またそれに関して相談できる人脈も得られました。この仕事にはチームで取り組んだので、自分のみならずチーム全体の技術力向上にもつながったと感じます。
日々の仕事のなかで、常に知識を吸収して成長していくという向上心、そしてチャレンジ精神を持つことです。今は教わる立場ではありませんが、若い頃からそう心がけてきた積み重ねが、現在のお客様への提案力につながっていると感じます。
新入社員が毎年配属される部署なので、教育を通して早期戦力化に取り組みたいですね。また、指導者側の知識力を上げることで、全体のレベルアップを図れればとも考えています。そうした取り組みによって業務の効率化を図り、生じた時間的余裕を新技術の吸収や改善活動、品質向上活動などに活用していきたいです。
1~2年目
東北工場で現場研修。実際のものづくりと現場の苦労を経験する。
2~4年目
鉄構部門の技術本部に配属。先輩の設計業務を手伝いながら、設計に必要な知識を吸収。
5~6年目
鋼鉄製の橋梁や、特殊な送電用三角鉄塔の新規設計を行う。
7~9年目
携帯電話用の鉄塔や、煙突を支持する100mの鉄塔の設計を行う。
10年目
新しい鉄塔構造に関する実規模試験と設計手法の立案、鉄塔の落雪防止の立案などを行う。
11年目
グループ長に就任。本格的に部下の指導・育成に携わるように。
14年目
一級建築士の資格を取得。
7:30出社
始業前の時間を利用して勉強会に参加。勉強会がない日は、自席で勉強や改善活動を実施。
8:00メールチェック
メールおよび本日の作業内容の確認。
9:00業務
グループ員が行った設計書のチェック。
11:00部下への指導
グループ員に、設計書のチェック結果について説明と指導を行う。
12:00昼食
社員食堂で食事。
13:00会議
設計の効率化と品質向上を目的とした社内会議。
15:00打ち合わせ
設計に関する仕様および不明点についてお客様と打ち合わせ。
16:00設計仕様確認・部下への指導
設計着手時の仕様確認と、作業をどう分担するか検討。
グループ員が行う設計方針を確認。ポイントを指導する。
17:20退社
グループ員の進捗確認および明日の作業の段取りを終えて、退社。
20:00子供との時間
子供たちに勉強を教える。
21:00夕食
妻とその日の出来事を話しながら夕食。
23:00趣味の時間
ニュースや海外映画・ドラマの鑑賞。